2012年4月10日火曜日

【キャリア別】女子就活生が企業を選ぶ上でチェックすべき3つのポイント | 外資就活ドットコム


メディアでは結婚・出産を望まない社会人が多くなっているという報道が流れていますが、周囲の学生から伺える結婚願望は強いように感じます。20代の男性の6割は、パートナーに結婚した後も仕事を続けてほしいと願っているそうです。
(参考:結婚・出産後の仕事に関する意識調査)

結婚した後、仕事と家庭をどこでバランスさせるかによって選ぶキャリアは大きく異なってくることでしょう。そこで今回は、仕事と家庭生活の重要度によって場合分けした就活チェックリストをご紹介いたします。どのように結婚後のキャリアが考えられているかは説明会の雰囲気や質問をすることで明らかになることが多いので、入社してからのキャリアプランについて想像する手助けになれば幸いです。

1.仕事はそこそこ、家族を大事にする家庭円満タイプ

家庭優先タイプです。朝は食事を作ってから職場へ行き、帰宅ついでに保育園へ寄って子供をピックアップ。仕事をおろそかにするわけではないけれども子供を優先したい。夫が転勤するときは、できれば付いていきたい。両親が病気になったら、病院まで付き添う。このような家庭円満タイプの場合に気にするべきことは以下の3点です。

1、有給休暇の取得状況
2、育児中の帰宅時間などに対する配慮
3、支店・支社の分布

有給休暇取得状況は、単純に取得している社員の割合を知るだけでは不十分です。なぜならば、取得したくても決まった日にしか取得できなかったりする場合は子供が突然発熱したりといった家庭のトラブルに対応できないためです。説明会などで「仕事が集中しやすいシーズンはありますか」と質問すれば有給休暇が取得できない時期を知ることができます。


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育児中の帰社時間ですが、保育園・幼稚園は決まった時間までしか児童を預からないところがほとんど。その後は親戚や友人に預かってもらわねばなりません。ですから、保育園の場所がどこかは必ずチェックしておきましょう。企業近辺にない場合は、送り迎えの時間を考慮に入れて出勤・退社時刻を計算する必要があるからです。しかしいくらママ友や親戚に頼るといっても、迷惑をかけるのには限度がありますし、子供も寂しい思いをするかもしれません。そこで育児中はフレックスタイムで早く出勤して帰宅できるかどうかや、在宅勤務が多少でも可能かなどを調べた方がいいでしょう。

支店、支社の分布では夫の急な転勤にどこまで対処できるかを示します。全国展開している企業であればある程度夫の勤務地に合わせて異動願いが出せますが、東京にしか部署がなければ片方は単身赴任になります。もしも家族で揃って暮らしたいのであれば、「支店・支社が日本中(できれば世界中)にあること」と「異動ができる職種に就けるか」の両方を調べなくてはなりません。後者が必要な理由は異動しやすい職種と、そうでない職種があるからです。たとえば法務職の場合は本社にのみ在籍することが多いでしょう。ただし、転勤を繰り返す場合は子供が転校をしなくてはならず、友達づくりで苦労するかもしれないことを考えた上で単身赴任派か付いていく派かを考えてみてください。

2.仕事も家庭も両立させたい、頑張りやさんタイプ

仕事の内容にやりがいも感じたいけれど、家庭も欲しいと考えるタイプです。結婚しても仕事を辞めることはまず考えたくないが、週末くらいはゆっくりと家族で過ごしたい。運動会などの子供が参加するイベントはできるだけ見に行きたいけれど、その日に商談が入ったらジレンマに悩む。こんな両立派の方が気にすべきなのは以下の3点です。

1、職場における昇進の平等性
2、総合職女性の勤続年数
3、土日完全週休2日制の実施率


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職場における昇進が男女不平等な場合いくら頑張ってもやりがいを感じないかもしれません。特に子供の学費や家のローンを考えるのでしたら、女性だからという理由だけで不当に給与や待遇を変えられるのは問題でしょう。しかし企業が説明会で「この職場では昇進に男女差をつけています」と言うわけはありません。
そこで見抜く鍵になるのは「女性で実際に部下を持っている管理職社員の比率」「説明会に女性の担当者はいるか、女性の待遇についてコメントしているかどうか」です。女性管理職は男女雇用機会均等法の普及以来、徐々に人数が増えてきています。しかし本音では女性を採用したくない企業においては、部下を持たせない「名ばかり管理職」の地位を与えて体裁を保っているケースがあります。従ってきちんと昇進ができているかどうかを知るためには部下を持っている女性の管理職がいるかどうかを知るべきです。

また、説明会に女性の担当者、特に30代以上の女性がいない場合、その企業では女性の採用人数が少ないか勤続年数が短い可能性を疑うべきでしょう。男女比を気にする企業では通常、女性の人事採用担当者を説明会に置きます。しかしあまりに若い女性の場合は、女性が長く働ける環境にいないのかもしれません。さらに「女性の平均年齢は◯◯歳です」と企業が言ったとしても、それは契約社員やアルバイトまで含めていたりすることも多々あります。実際に昇進していきたいのであれば総合職女性の平均年齢と勤続年数は必ず調べましょう。


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子どもとのコミュニケーションを取る時間をしっかり取りたい場合や、親戚の病院へ付き添いなどをこなしたいのであれば土日が休みである企業で働くことが重要です。24時間営業の小売店などで勤務する場合は土日休みが難しくなるでしょう。たとえ総合職入社であっても、店長として各店舗に貼りつく必要のある企業も多くあります。営業担当であれば休日は接待に行かねばならないかもしれません。土日に行われ易いイベント(冠婚葬祭)業界も要注意です。また、名目上は土日休業と書いてあってもそうでない企業も多くあります。真実を知るためにOB訪問、それも企業を通じて行われないOB訪問が欠かせません。
しかし、最近では運動会といったメインイベントが平日に行われることも多く、一部の私立中学校や女子校では、専業主婦御用達かと邪推するのも無理はないスケジュールが組まれていると聞きます。そのようなイベントを欠席するのは、親と子双方にそれなりのダメージを与えますので、先述したタイプと同じく有休取得の柔軟性についても調べておきましょう。

ただし「いつ休めますか」という質問は、まるで休みだけをあてにしていて仕事をやる気がないと感じられてしまいがち。OBに対しても失礼に当たるので「この前のお休みはいつでしたか。何をしましたか?」とさりげなく質問してみてください。その時点で「うーん、いつだっけな」と休んだ日を悩むようであればその企業は要注意です。定期的に社員が休めていないと考えたほうがよいでしょう。

3.仕事に生きがいを見出すビジネスパーソンタイプ

家庭よりも仕事を優先させるタイプです。20代からバリバリ働き、結婚後も仕事を辞めたいとは考えません。家庭は持っても持たなくてもいいけれど、パートナーに家庭を支えてほしい。24時間保育施設があればいいのに。家事や育児は家政婦さんにお願いするかもしれないけれど、子供の寝顔を見て明日も仕事を頑張りたくなる。そんなタイプがチェックすべきなのはこれら3点です。

1、女性の役員人数とその役割
2、育児休暇取得後の待遇
3、給与


まず、気になるところは女性の役員人数でしょう。定年までバリバリ働くと言うことは出世を目指す上昇志向が強いことだとも考えられます。しかし残念ながら日本企業の全役員に占める女性の割合は1.33%しかありません(東洋経済『役員四季報』調査 2010年度版 ソースはこちら)。ですから、女性役員の人数を調べても、あまり各社間で違いは出にくいのではないかと思います。代わりに、企業のパンフレットやウェブサイトには通常、役員氏名一覧が掲載されていますので、「役員の○○さん(女性)はどのようなお仕事をなさっているのですか」と具体的に訊いてみるのがよいでしょう。

説明会などで「育児休暇を取っても職場復帰できますか」と質問することは無意味です。たとえできない企業でも「できる」と伝える義務が人事部にはあります。また育児休暇を取得できる企業でも、その後の昇進に差が出来たり別の部署へ飛ばされるなど、事実上の左遷が行われては仕事に復帰する意義が薄れてしまいます。そこで、育児休暇取得直前までの評価で人事部が昇進を決めているかを知る必要があります。「育児休暇から復帰したのちに昇進した女性はどれほどいらっしゃいますか」と質問するのがいいと思われますが、これを説明会でぶつけるのは少々リスキーです。OB訪問で場が打ち解けたときなどに、こっそり持ち出してみましょう。具体的な事例を聞くことができるのであればある程度信用できるはず です。

給与はどんな方でも当然気になるとは思いますが、仕事を優先したい場合はなおさら大事になります。なぜならば、生涯自立して生きていくためのお金や老後の資金も含めてキャリアプランを考える必要があるからです。家事を一部家政婦さんへ依頼したり、24時間保育を依頼する場合は他のタイプより支出が増えることも考慮する必要があるでしょう。給与については多くの企業が掲載していますが、これはあくまで初任給です。初任給が低くても給与カーブが険しく一気に増えることもありますので、「35歳時点でいくら必要か」を基準にして情報を集めてください。なお、大企業に限定して言えば給与の情報が多くの雑誌で特集されていますので、そちらを参考にしてください。お金だけを目当てに就職活動をし� �いると感じられてしまうので、あまりOBにしつこく訊くべき情報ではないでしょう。


おわりに

ワーク・ライフ・バランスの度合いによって気にするべきポイントを並べてみました。多少突っ込んだ話をいたしますと、貴方がどのタイプでも「母性保護・産前産後・育児・看護・介護のベネフィットが法定給付より付加的に設定されているか」「所属する健康保険の給付は法定水準に比べてどうか」を調べておくのは損ではないと思います。最低でも、「育児・介護休業法」くらいはしっかり内容を把握しておきましょう。

そして、現時点でのあなたの考えは20年後のあなたの考えとは違うかもしれません。どのタイプにも重要なのは、たとえキャリアへの考え方が変わってもすぐに転職や異動ができる柔軟さです。仕事量が部署ごとに大きく異なる企業を見つけるのもいいでしょうし、転職が容易にできる企業に絞って考えることをお勧めします。最適なワーク・ライフ・バランスを見つけて業界や業種を選んでみてください。



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